月刊「COMPANY TANK」2008.5月号インタビュー
秋川: 真鍋社長は前職から設備工事業とお聞きしましたが、同業からの独立なら比較的順調なスタートが切れたのでは?
真鍋: ええ。特に信頼して取り組める職人たちの存在がありがたかったですね。皆、上下関係ではなく仲間だと思っています。
秋川: では、その信頼関係を作る際に心がけていることはありますか。
真鍋: 私は手抜きを絶対に許しません。それは監督の私の責任であり、しっかりした仕事をすることが、結果的に職人を守ることにもなると信じています。年上の職人にも厳しく注意しますので最初は喧嘩も多いですが、後からきっと分かってくれますし、その分私も職人が困っていたら必ず助けてやりたいと思います。
秋川: なるほど。今は、どのようなお仕事を主に手掛けているのでしょうか。
真鍋: ビルの水回りや空調関係のメンテナンスがメインです。顧客は商業施設が多いのですが、その施設に来る一般のお客さんに快適に過ごして頂くためのサポーター。それが私たちの役目ですね。また、最近は先方からの依頼で建築を担当することも増えてきました。
秋川: 元々設備の会社だったのに建築まで任せてもらえるなんて、顧客からの信用が高いことが窺えますね。
真鍋: 信用はもちろん大切ですが、そのためには自分の仕事が本当にお客さんのためなのかを考えなくてはいけません。リフォームを頼まれたとしても、私は「本当に必要か」を相手に突き詰めて聞いていきます。例えば、子供が大きくなったから部屋を作りたいと言われても、子供が出て行った後はどうするのか、リフォームに何百万もかけるより、今のままでしばらく我慢した方がいいんじゃないか、と。本当に必要な仕事だけをすることが、喜んでもらえる絶対条件。そして、お客さんを大切にするとはそういうことだと思っています。
秋川: そうなんです!設計士さんはもっと改装しろってそればかり。言われたらその気になりますけど、結局いつも後悔ですよ。ところで、真鍋社長は美容室も経営なさっているとか。全くの異業種ですが、顧客のことを考えるという点では繋がる部分もあるのでしょうか。
真鍋: 私は人を喜ばせることがビジネスだと思っていますので、そういう意味では確かに繋がっていますね。私は周囲の人々、全員を喜ばせることが目標で、その方法を常に模索しています。中には私の考え方を、甘いと切って捨てる方もいる。とにかく売って、金だけ儲けろと。確かに、これまではその考え方で良かったのかもしれません。でも、時代は変わったんですよ。
秋川: 同感です!景気が悪いから駄目だと言っている会社は多いですが、それは景気のせいではなくて、時代が変わったからなんだって声を大にして言ってやりたいですね。
真鍋: ええ。建築業が美容室を経営する。「あほちゃうか」って言われました。でも、その店が地域1番店になったら、「うちもやろうかな」ってね。まねしても、本質が掴めていなければ失敗しますよ。お客さんに喜んでもらう、そこがスタートですからね。どんな業種だって同じことなんです。
秋川: 社長にはどんどん新しいことに挑戦して頂いて、業界の先達となり頑張ってもらいたいです。今後はどのようなことを予定されているのですか。
真鍋: 再度建築業界に立ち返り、ソフト面から取り組みたいですね。例えば、活躍の機会を求めている現場監督に、現場監督を探している会社。今はその両者が出会う機会がありません。そこで、インターネット上でそのマッチングサイトを作り、全国に展開しようと考えています。
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